播州オクトーバーフェスト

播州の祭と沖縄を愛するイラストレーター まとばあきお です。自作のイラストをはじめ、日頃の出来事や日々思うことなどを書いていきます。お仕事のご依頼は「matrixakio【アットマーク】gmail.com」まで。

夜行列車で行こう 2

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ある冬の夜、夜行列車に乗ってスキーに向かう姉と弟。
この世界ではまだ「JNR」の夜行列車が全国を走り回り、ホームには駅弁売りのおじさんや、鉄道弘済会のカートを押して物を売る人がいて、かと思えばスマホやコーヒーのチルドカップを持った人、スーツケースを転がして歩く人がいる。

そんな昭和のようで昭和ではない、現代のようで現代ではない、まるで昭和と現代がチャンポンになったような世界、それが「レトロ現代」。

魚屋とお客と子どもたち

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自転車からトロ箱を下ろす魚屋のおじさんと、お客と子どもたち。

かつて、母や祖母から「昔は自転車にトロ箱を積んだ魚屋さんが家の近くまで来ていて、『これまけてぇな』などと値段を交渉して買っていた」という話を聴いた。
自分の世代など「物を買う」といえば、店に行って値段のついている物を買った経験しかなく、値段のついていない物を「もう少し負けてくれ」と交渉して買う、というやり方がよくわからなかったので、それがすごく新鮮に感じた。


「刺身は10分くらいかかりますけど、大丈夫でっか?」
「わかりました。後でこの子に取りに行かせまっさかいにな。これ、おばあちゃんはちょっと用事があるし足も悪いさかい、お刺身ができたらあんたが取りに行くんやで」
「ハーイ」
「おい坊主、売り物なんやからあんまり魚を触ったらいかんど」
「大丈夫やって。ちょっと見とっただけやって」
「あんた、魚屋さんもあない言うてはるし、もうそろそろ帰るで」

夏山と冬山

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夏山のキャンプで乾杯する男の子3人組。

最近は若い女の子たちの間でも「ゆるキャン」が流行っていると言われるが、私のイラストはあくまで山男たちのむさ苦しいキャンプ。

 

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冬山でスキーとスノーボードをする2人。カップルではなく姉弟

右の弟くんはキャンプのイラストの右端の子と同一人物である。

広瀬香美の曲が聴こえてきそうだが、私の中ではアルペンのCMソングと言えば彼女よりもGO-BANG'Sの『あいにきて I・NEED・YOU!』である(余談だが長い間あの曲のサビの歌詞を「♪アルペンで I・NEED・YOU」だと思い込んでいた)。

 

ミスター・アンダースロー

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小林繁

巨人から阪神で活躍した小林繁投手。

どうしても背中の背番号19が見えるアングルを描きたかった。

この時代の阪神のユニフォームは、背番号が他球団にはない独特のフォントだった(阪急や南海や近鉄も、何故かこの頃の関西の球団は背番号が独特のものばかりだった)。

阪神はユニフォームのデザインをいろいろいじるよりも、この時代の背番号を復活させてほしいと思う。

沖縄2017 Vol.3

3日目は伊是名島から本島に戻り、いつも定宿にしているコザの宿に移った。

 

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コザの夕暮れ。

 

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4日目に訪れた浜比嘉島の家々。うるま市のJA与那城支店前から海中道路を通って伊計島までを結ぶ小さなバスが出ており、これに乗って浜比嘉島に向かった。

小さな島であるが、ここもさとうきび畑の中に伝統的な瓦屋根の家が頭をのぞかせる、のどかな風景が見られる好きな島だ。

  

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浜比嘉島のムルク浜。

比嘉港湾前というバス停で降り、リゾートホテルの脇の道を少し歩いて行くとビーチに着く。

 

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ちょうど空が曇ってきてしまったのだが、それでも晴れ間がのぞくタイミングを見計らってシャッターを切った。

海水浴の準備は何もしてこなかったのだが、島ぞうりを履いた足を波打ち際に突っ込んで「足の先っぽだけ海水浴」を楽しんだ。これがまた結構、水が冷たくてなかなか気持ち良かった。

 

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コザで一番の繁華街「中の町」と、宿の近くの風景。

 

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最終日は那覇まで出た後、そこからバスを乗りつぎ、南部の南城市にある新原ビーチに行った。

前日とは違い快晴で、ここでも写真を撮りながら島ぞうりを履いて「足の先だけ海水浴」を楽しんだのだが、ムルク浜と違って海水がぬるかったのがやや難点だった。

沖縄2017 Vol.2

今回訪れた伊是名島琉球王朝第二尚氏王統の創始者尚円王(「第二」となっているのはクーデターで第一尚氏王統を倒したため)の出身地であり、琉球王国時代には王府の直轄領であった。現在の住所が「島尻郡伊是名村」となっているのはその名残である。

 

前述のように2日目はレンタサイクルを借り、伊是名地区までサイクリングしたのだが、想像以上にアップダウンのきつい道で、両腕を日焼けするわトゲのついた草の実がズボンにくっつくわ(この手の草は何処にでも生えているが伊是名島のものはとりわけ痛かった)で、大変な目にあってしまった。

 

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銘苅家住宅。銘苅家は尚円王の叔父の末裔で、代々島の地頭を務めた家柄であった。

 

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聖地「アハラ御嶽」の付近から撮った、陸ギタラと海ギタラ。見ての通り相当に高い場所なので、最後はここまできつい坂を自転車を押して歩いていた。

 

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そして下り坂から見えた海。

 

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仲田港のすぐ近くにある「居酒屋お食事処 やま」で、昼食に肉野菜炒め定食を食べた。

野菜にもやし、豆腐、豚肉にランチョンミートまで入って、正に「チャンプルー」という言葉がピッタリ似合う感じだった。

地元の人に、「13~14時頃は一番暑くて日差しもきついので、外は出歩かない方がいい」と言われ、その後は結局、クーラーのよく効いた港の待合室で、テレビを見ながらひたすらボーッと過ごしていた。

 

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2日目の夕食。

 

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3日目に登った伊是名城跡。ふもとにある石垣は陵墓「伊是名玉御殿」。

写真では分かりづらいがピラミッドにも似た独特の形をしており、海からも陸からもよく分かる。

山頂への道があったので登ろうとしたのだが、思った以上に険しい山道で、結局中腹まで登ったところで断念してしまった。

 

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仲田港から伊是名城跡に向かう途中にある「タアシ美浜(ターシ浜)」のビーチ。

 

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船の出発を待つ間、港のレストランで食べた沖縄そば定食。

お昼の書き入れ時だったせいで注文がなかなか来なかったり、セルフサービスの給水機の水がなくなっていたりで、なかなか難儀した。

 

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フェリーが島を離れる。伊是名城跡も海の上から見ると、ピラミッドの形をしているのがよく分かる。

船内のテレビでは高校野球沖縄大会の決勝、興南-美来工科の試合が放送されていたが、あまりの一方的な試合展開で、途中からお客は誰も中継を観ていなかった…。

 

(つづく)

沖縄2017

7月14~18日にかけて、恒例の沖縄旅行に行った。

今回の目的地は、沖縄と奄美の間に浮かぶ伊是名島という小さな島。

那覇空港から海洋博公園を経て、今帰仁村の運天港まで結ぶ直通の高速バス「やんばる急行バス」に乗り、運天港からフェリーに乗って島へと向かう。

神戸空港の保安検査が異様に混雑しており、その影響で飛行機の出発が30分近くも遅れてしまったのには驚いた。

 

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運天港のターミナル。本島と伊是名島、それから隣の伊平屋島を結ぶフェリーがここに発着している。

写真は伊是名島行きの切符売り場と休憩所で、ちょうど反対側に伊平屋島行きの切符売り場と売店がある。

何故かターミナルの一角に卓球台が置いてあり、お客さんが卓球に興じていた。

 

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伊是名島行きの「フェリーいぜな尚円」。一昨年就航したばかりだそうで、とても大きくきれいなフェリーだった。

 

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今回泊まった「民宿まえだ」。水色の壁は船の中からでもよく見えた(何故か沖縄の建物は水色や緑、オレンジ色などに塗られた壁が多い)。

全室バス・トイレ付で、客室も食堂もとてもきれいなものだった。

 

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民宿まえだのすぐ隣にある「仲田共同売店」。スーパーもコンビニもない島で、地区の人たちが出資ししあって運営している店である。

品揃えはかなり豊富で、それこそ普通のコンビニや小規模なスーパーと比べても何ら遜色のないものだった。店内では何故か90年代のJ-POPが流れ、レジのおばさんが歌を口ずさんでいた。

 

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宿の夕食。この宿の食事は魚料理が売り物だそうで、この日の夕食は相当にボリュームがあって食べきるのに苦労した。

 

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宿のすぐ前に広がる、仲田集落の家々。伝統的な漆喰で固められた瓦屋根の家が多く見られる。

バスの窓から景色を見ていてふと気付いたのだが、この瓦屋根の家はほとんど全てが平屋建てで、2階建ての家はないらしかった。地元の人の話によれば理由はやはり台風で、2階建てにすると瓦が暴風で飛んだり、屋根の重みに柱が耐えられなくなるとのことであった。また沖縄は土地が安いので、高く建てるよりも土地を広く使いたい、という考えもあるとのことであった。

 

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翌日は港でレンタサイクルを借り、島をサイクリングして回った。

上の写真の海に浮かぶ岩は「海ギタラ」、下の写真の空にそそり立つ岩は「陸ギタラ」。

仲田地区から島の南部の伊是名地区まで、アップダウンのきつい道には自販機が1個もなく、炎天下で脱水症状になりかかった。景色を楽しむよりも「早く伊是名地区に着いて自販機を見つけなければ!」という意識ばかりが先に立ってしまった。

 

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伊是名ビーチ。海水浴の設備はあるものの客はおらず、地元の人とおぼしき男性が日陰で涼んでいるだけの静かな海だった。

 

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沖縄で私が好きな風景の1つが、なだらかに広がるさとうきび畑の向こうに海が見え、その合間合間に瓦屋根の家や四角い沖縄独特の建物が頭をのぞかせている……という風景である。この伊是名島でもそのような風景が多く見られた。

 

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伊是名酒造所。沖縄ではどんな小さな離島にも大抵1つは泡盛をつくる酒蔵があるようだ。

 

(つづく)