宇野線でのこと
昨年の春、岡山の友人に会いに行ったついでに、宇野港まで足を伸ばしてみた。
宇野線の電車で隣に乗り合わせたおじさんが何とも饒舌な人で、別のおじさんに熱く語っている声がこちらにも聞こえた。
「宇野線は赤字に見えるが、それは岡山から宇野までの全体で見るからだ。岡山から茶屋町まではかなりお客が乗っているので、トントンか少し黒字くらい。呉線も同じだ。広島から広までかなり乗るので儲かっているが、広から三原までは儲かっていない」
そのおじさん曰く、「今じゃとても考えられないけど、昔は東京から宇野まで特急が走っていたから、東京や名古屋でしこたま飲んだ後で夜行列車に飛び乗って、朝起きたらもう宇野駅に着いていたりしたね。そこから船で四国へ渡って…」
とても楽しそうだった。何気に私も経験してみたかった。
おじさんの話は宇高航路にも及んだ。
「宇高航路も便が随分減ってしまったが、仮に岡山~高松を結ぶ路線がなくなっても、小豆島や直島といった離島の便は需要があるから生き残るだろう。むしろ今は各社ともそこに活路を見いだしている。」
なるほどと思った。そういえば学生時代によくCMを見た宇高国道フェリーも一昨年廃止されたのだった。
いろいろ貴重な話をうかがうことができて、とても面白い電車旅だった。