播州オクトーバーフェスト

播州の祭と沖縄を愛するイラストレーター まとばあきお です。自作のイラストをはじめ、日頃の出来事や日々思うことなどを書いていきます。お仕事のご依頼は「matrixakio【アットマーク】gmail.com」まで。

魚吹八幡神社秋祭り2013

2013年10月21~22日、姫路市網干魚吹八幡神社(津の宮)の秋祭りを見に行った。

 

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平松の提灯練り。竹の棒の先に取りつけた提灯を、播州祇園囃子の歌声に合わせて勢いよく叩きつける。津の宮の秋祭りの名物で、宵宮の夜のクライマックス。

写真はこの年から新調したデジカメで撮ったのだが、どうも昨年までのカメラに比べてあまりきれいに撮れなかった。撮影におあつらえ向きな場所は既に他の人に取られてしまっていたし。

 

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吉美のキャラクター提灯。LINEやゆるキャラ、アニメのキャラクターが描かれている。

 

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イルミネーションを灯した屋台が幻想的だ。

 

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イラストにも描いた坂上の屋台。赤いシデ棒がよく映える。イラストとはアングルが違うけど…。

 

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本宮の日、糸井の屋台が楼門前にやって来た。ここは唯一姫路市ではなく太子町に属する。緑のシデの美しさもさることながら、圧巻はこのチョーサ。どの地区よりも高く上がる。なかなか上手く撮れる場所がなく、人混みの中をあちこち動き回っているうちに宮入が終わってしまった。

 

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これは田井の屋台。私が3歳頃まで住んでいたマンションもこの地区にあった。

 

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朝日谷による獅子舞。朝日谷は屋台は出さないが、毎年こうして獅子舞を奉納する。

 

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大江島のチョーサ。ここは母と叔父が幼い頃に住んでいた地区である。シデといえば大抵は赤や緑など単色だが、大江島のシデは色とりどりの、言わば「レインボーフラッグ」。

 

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神輿の宮入り。

 

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興浜のだんじりが鳥居をくぐる。上で歌っているのはどういった人たちなのだろう。

 

この日は母の実家に泊めてもらい、80歳になる母方の祖母といろいろ話した。

母と叔父が子どもの頃、家は網干の大江島にあり、津の宮の秋祭りでは朝の6時から山車を引いて地区を回ったりしていたそうだ。屋台も今はどの地区も毎年出すが、昔はどこも大体2、3年に1回程度だったらしい。そう言えば宵宮の帰りに坂上の屋台蔵の前を通りかかった時も、「明日は朝6時45分に集合」と言っていた。地元で参加する人は本当に大変だと思う。

屋台の中で太鼓を叩く乗り子の衣装も100~200万はするらしい。その代わり、祭で乗り子を務めたというのは村で一番の名誉で、特に自営業などをしていると「昔、祭で乗り子を務めた」となるといろいろ有利になる部分も多いという。叔父も子どもの頃「乗り子をしませんか」と誘われたことがあったらしいのだが、乗り子を務める学年になる直前に、大江島を離れて引っ越してしまったという。母も、叔父も、祖母も、今は亡き祖父も、この光景を何度見たのだろうか。 

私が子どもの頃、サンテレビで流れる魚吹や播州の秋祭りの番組を見るたびに、祭のことや子どもの頃の思い出を幼い私に語ってくれた母の顔は、とても楽しそうに見えた。何故、自分は今頃になって播州の秋祭りを取材するようになったのかと考えてみれば、恐らく「母と父の間に生まれた自分の原点のようなもの」を、もう一度再確認したかったのだと思う。