播州オクトーバーフェスト

播州の祭と沖縄を愛するイラストレーター まとばあきお です。自作のイラストをはじめ、日頃の出来事や日々思うことなどを書いていきます。お仕事のご依頼は「matrixakio【アットマーク】gmail.com」まで。

魚屋とお客と子どもたち

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自転車からトロ箱を下ろす魚屋のおじさんと、お客と子どもたち。

かつて、母や祖母から「昔は自転車にトロ箱を積んだ魚屋さんが家の近くまで来ていて、『これまけてぇな』などと値段を交渉して買っていた」という話を聴いた。
自分の世代など「物を買う」といえば、店に行って値段のついている物を買った経験しかなく、値段のついていない物を「もう少し負けてくれ」と交渉して買う、というやり方がよくわからなかったので、それがすごく新鮮に感じた。


「刺身は10分くらいかかりますけど、大丈夫でっか?」
「わかりました。後でこの子に取りに行かせまっさかいにな。これ、おばあちゃんはちょっと用事があるし足も悪いさかい、お刺身ができたらあんたが取りに行くんやで」
「ハーイ」
「おい坊主、売り物なんやからあんまり魚を触ったらいかんど」
「大丈夫やって。ちょっと見とっただけやって」
「あんた、魚屋さんもあない言うてはるし、もうそろそろ帰るで」